猫の目の色は品種によって様々で、その多彩な色は猫を飼う私たちに大きな楽しみを与えてくれます。たとえば、黒猫の目は一般的に緑色ですが、ランドレース猫の目は青色です。虹彩の色素と青色光の反射が猫の目の色を決定することが科学的に証明されています。しかし、猫の目は赤くなるなど、目の病気の兆候である異常な状態になることもあります。
目の充血も猫の目の病気の一般的な症状です。目の充血などの症状でペット病院に治療に訪れる飼い主さんも多くいらっしゃいます。実際、猫の目が赤くなる原因となる病気はたくさんあります。目の充血は、大きく分けて「目の表面の赤み」と「目の中の赤み」に分けられます。眼表面の赤みは、充血と角膜血管新生の2種類に大別できます。分類に関係なく、視診だけで赤みが眼球の表面にあるか内部にあるかを簡単に判断できます。ただし、目が赤くなる原因となる病気は多種多様であるため、正しい判断が必要です。さらに、眼球の表面と内部を区別することに限定されません。さらに病気の部位を詳細に判別できれば、おのずと病気の原因も判断できるようになります。
1. 混雑
充血は外部からの刺激や炎症によって引き起こされ、結膜の小血管や毛細血管を流れる血液の量が増加します。充血は結膜充血と毛様体充血に分けられます。これら 2 つの違いは、混雑の原因を特定するための重要な基礎となります。結膜充血は血管収縮薬(エピネフリンなど)の投与後に消失することがありますが、毛様体充血は血管収縮薬の使用後も消失しないため、これを鑑別の基準とすることができます。
1.1 結膜充血
特徴:表面の鬱血、鮮やかな赤色、血管の方向が明瞭に見えます。
この症状を引き起こす可能性のある病気:
①結膜炎(細菌性・ウイルス性結膜炎など)
診断は、結膜接触塗抹標本の顕微鏡検査と眼分泌物の微生物培養によって確認できます。結膜炎は一般的に、鼻側のまぶたの腫れ、結膜の赤みや充血、羞明、流涙、眼の内側の角からの漿液性および膿性の分泌物として現れます。感染した猫は時々前足で目を引っ掻き、痛みや痒みを引き起こします。時間が経つと、結膜肥大、癒着、二次角膜炎が見られることがあります。
② 軽度の角膜損傷
涙液量測定、角膜・結膜染色検査(フルオレセイン染色、ローズベンガル染色)、細隙灯顕微鏡検査、血液検査(内分泌異常が疑われる場合)などにより診断します。
1.2 繊毛の鬱血
特徴: 結膜充血よりも深く、赤紫色で、個々の血管ははっきりせず、一般的に結膜充血よりも重症です。
この症状を引き起こす可能性のある病気:
① 重度の角膜損傷
診断方法は結膜充血と同様です。
②ぶどう膜炎
前房フレアの確認、血液検査(一般血液検査、CRP値検査、抗核抗体検査、抗グロブリン検査、ウイルス抗体価検査など)により診断できます。
③ 緑内障
診断は、眼圧を測定し、隅角鏡で前房隅角を検査することによって行われます。
④ 網膜剥離
診断は眼底検査と眼の超音波検査によって行われます。
⑤眼内腫瘍
診断は、細隙灯顕微鏡検査と眼の超音波検査によって行われます。
2. 角膜血管新生
目の充血のもう一つの主な原因は、角膜血管新生です。角膜自体には血管組織はありません。角膜上皮細胞の代謝と角膜実質のコラーゲン繊維によって、規則的な層構造と透明性を維持します。
特徴:様々な原因により角膜上皮が損傷され、角膜縁から角膜上皮にかけて新生血管が見られます。
この症状を引き起こす可能性のある病気:
① ドライアイ症候群(KCS、涙液減少による角膜上皮障害)
② 霰粒腫や異所性睫毛による慢性角膜炎症
③ 軽度の強膜炎
3. まつげが長すぎる
埋没まつ毛は目を刺激し、赤みを引き起こす可能性があり、これもよくある原因です。まつ毛が長すぎると感じたら、カットすることを検討してください。目が赤い場合は、ペット用の目薬をさしてください。数日で治りますので大したことではありません。
4. 異物による赤み
猫の目に異物が入って赤くなっています。猫が外で遊んでいるときに、異物が目に入り、赤くなる症状です。治療としては、通常の点眼薬を使用するか、生理食塩水で猫の目を洗浄します。
猫の目が赤くなったときは、猫が泣いているか、目やにが多すぎるかなど、他の症状にも注意を払う必要があります。これは猫の病気を判断するのに役立ちます。