CATDOLL: 猫の肝機能検査レポートの生化学的指標と診断的意義 CATDOLL: 猫の肝機能検査レポートの生化学的指標と診断的意義

CATDOLL: 猫の肝機能検査レポートの生化学的指標と診断的意義

猫の健康診断は一般的になってきたが、猫の検査結果を見て戸惑う飼い主も多い。テスト結果が高いか低いかは分かるが、なぜ上がったり下がったりするのか理由は分からない。以下の簡単な分析がお役に立てば幸いです。

猫の検査結果を手にしたとき、多くの飼い主は結果が高くなっているか低くなっているかは分かるものの、増加または減少の理由が分からないため困惑します。以下の簡単な分析がお役に立てば幸いです。

肝機能の生化学的指標とその診断的意義:

カリウムK(正常値3.8-4.6 Mmol/L)は、副腎機能不全、急性および慢性腎不全、ショック、組織挫滅損傷、重度の膿や血液、過剰な経口または注射によるカリウム含有液の摂取などで正常値より高い値がみられます。重度の下痢や嘔吐、または利尿剤やインスリンの使用後には、正常値より低い値がよく見られます。

ナトリウムNa(正常値147~156Mmol/L)は、重度の脱水症の場合には正常値より高くなることが多く、嘔吐や下痢など消化管からのナトリウム喪失が原因の場合は正常値より低くなることが多いです。重度の腎盂腎炎、腎尿細管障害、糖尿病、利尿剤の使用。

塩化物CL(正常値110~123Mmol/L)が正常値より高い場合は、急性および慢性糸球体腎炎、心不全、塩化物過剰摂取などで見られます。値が正常値より低い場合は、重度の下痢、嘔吐、多尿などの症状が見られます。

アラニンアミノトランスフェラーゼALT/GPT(正常値1~64U/L)が正常値より高い場合は、感染性腹膜炎、肝膿瘍や胆管閉塞、心不全、重度の貧血、ショックなどの猫に見られます。

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼAST/GOT(正常値0~20U/L)が正常より高い場合、肝胆道系疾患の発生率が高くなりますが、あまり顕著ではなく、主に筋肉の損傷と変性が見られます。

総タンパク質TP(正常値58~78g/L)が正常より高い場合は、脱水症や免疫グロブリンを増加させる疾患が原因となっている可能性があります。値が正常より低い場合は、栄養失調、摂取量の増加、肝臓病、ネフローゼ症候群の兆候が見られます。

アルブミンALb(正常値26~41g/L)は、脱水症の場合には正常値より高くなり、栄養失調、肝系疾患によるタンパク質合成能力の低下、ネフローゼ症候群、その他アルブミン喪失を引き起こす疾患の場合には正常値より低くなります。

アルブミン/グロブリンA/G(正常値0.5~2.2:1)が正常値より低い場合、肝細胞の損傷や肝タンパク質産生機能の低下が見られます。

総ビリルビン T. bil(正常値 2~10 Umol/L)は正常値より高く、レプトスピラ、肝蛭、急性および慢性肝炎、胆道閉塞、急性黄疸性肝萎縮、肝臓癌で見られます。溶血性黄疸は、正常値より低い場合、貧血で見られます。

直接ビリルビンD。bil(正常値0~2μmol/L)が正常値より高い場合、肝疾患の黄疸期における胆管閉塞にみられます。値が正常値より低い場合は貧血とみなされます。

乳酸脱水素酵素LDH(正常値63~273U/L)が正常値より高い場合は、外傷、筋肉疾患、肝臓疾患などでみられます。下げると意味がなくなります。

酸性ホスファターゼACP(正常値0.31~2.1U/L)が正常値より高い場合は、外傷や筋肉疾患、胆管閉塞、肝内胆汁うっ滞、胆管閉塞、蓄積、悪性腫瘍などでみられます。下げると意味がなくなります。

アルカリホスファターゼALP(正常値2.2~37.8U/L)が正常値より高い場合は、胆管閉塞、肝内胆汁うっ滞、胆管閉塞が見られます。骨折治癒期、悪性腫瘍。薬物によるもの。

γ-グルタミン酸アミノトランスフェラーゼγ-GT(正常値1.3~5.1 U/L)は正常値より高く、肝毒性、胆汁うっ滞、腎臓病、膵炎などで認められます。下げると意味がなくなります。