歯肉炎、腫瘍、口腔内潰瘍などの口腔疾患が原因となる場合があります。また、上気道感染症の可能性もあります。上気道感染症の場合は、よだれに加えて、くしゃみ、激しい呼吸、鼻水や目やにが出ることもあります。暑い夏に猫がよだれを垂らして元気がないように見える場合は、呼吸が速くなったり、嘔吐したり、元気がなくなったり、手足が協調運動障害を起こしたりするなどの症状を伴う熱中症の可能性があります。腎臓病、肝臓病、胃腸炎などにより吐き気や嘔吐が起こることもあり、よだれが頻繁に出るようになることもあります。患者の食欲が減退したり、食事を拒否したりする場合は、病院に連れて行って検査を受けるのが最善です。
猫がよだれを垂らして元気がない様子であれば、しばらく観察してみるのがよいでしょう。猫が短時間に断続的によだれを垂らす場合、それは単なるストレス反応である可能性があり、健康に危険を及ぼすことはありません。
ただし、よだれが長時間続いたり、大量に出る場合には、病院で治療を受けたほうがよいでしょう。獣医師は、口腔検査、レントゲン検査、超音波検査、生体組織検査(臓器不全などでは血液検査や尿検査が必要になる場合があります)などを行い、お伝えいただいた猫の症状をもとに総合的に診断し、適切な薬を処方します。
猫の70%は口腔が適切に清掃されていないためによだれを垂らします。猫専用の歯磨き粉を定期的に使用して歯を清潔に保つと、多くの口腔疾患を効果的に予防できます。