猫は環境や身体の不調に順応する能力が強いため、飼い主が猫が貧血になっていることに気づくのは一般的に容易ではありません。獣医師が診るケースは、急性溶血や大量出血の場合や、貧血がひどく飼い主が初めて気づくケースが多いです。貧血の猫のほとんどは、鼻先、口、歯茎などの皮膚や粘膜が青白くなります。
急性溶血を起こした猫の中には、黄疸を発症する猫もいます。黄疸とは、粘膜や皮膚が黄色くなることを指します。黄疸の出現は、原発性または続発性の肝疾患を示す場合があります。貧血の猫によく見られるその他の症状としては、発熱、皮膚や粘膜の小さな出血斑、リンパ節の腫れなどがあります。同様の症状に気付いた場合は、できるだけ早く猫を獣医に連れて行くのが最善です。
検査方法:多くの貧血猫の回復は、早期発見と早期治療にかかっています。猫は貧血が疑われる初期段階では病院に連れて行って検査を受けることができます。獣医師はすぐに臨床検査を行って、猫が貧血かどうかを判断できます。たとえば、獣医師はヘマトクリットと呼ばれる検査を行うことがあります。これは、少量の血液サンプルを採取して遠心分離し、血液中の細胞成分と非細胞成分の比率、および血液中の赤血球の比率を測定する検査です。一般的に、猫の血液には約 40% の細胞と 60% の非細胞部分が含まれています。
もう一つの検査方法は網状赤血球数で、これは若い赤血球の数を測定します。この技術的な方法は、100 個の赤血球中の網状赤血球の数を数えることです。結果に網状赤血球の割合が高いことが示された場合、骨髄が急速に赤血球を生成していることを意味します。ヘマトクリット検査の結果と比較することで、猫が貧血の症状があるかどうか、また再生性か非再生性かが分かります。